逆張りと順張り

相場の世界において最も単純にエントリー方法を分類すると逆張り」と「順張り」に分けられます。これらの基本的な使い方と、ハイローにおいてどのような局面でそれぞれを使っていくべきかについて解説していきます。

 

逆張り、順張りとは

 逆張りとは相場が上げているときに売って下げているときに買うという流れに逆らったエントリーをする方法のことです。逆に順張りとは相場が上げているときには流れに乗って買い、相場が下げているときには流れに乗って売るというエントリー方法です。これらはどちらが正しくてどちらが間違っているというものではなく、相場や取引によって使い分けていくものです。

 これは結構人によって好みが分かれていくものなので、ハイローをやる上では自分が入りやすいエントリー方法を選んでいくと良いでしょう。そのうえで、特に短期のハイローをやるうえでどういうスタイルで取引していくほうが勝率が上がるのかについて考えて見ましょう。


トレンド発生時は順張り、レンジ時は逆張りが基本

 短期のハイローをやるうえで、相場にトレンドが発生している場合、順張りをするのと逆張りをするのではどちらのほうが勝率が高いでしょうか?これはもちろん、トレンドに乗って順張りの考え方でエントリーしていったほうが勝率は高くなっていきます。しかし、ここで大事なのは相場の波には色々な周期があるため、トレンドにも色々な周期があることに注意しなければなりません。そして、ハイローの判定時間の長さに合ったトレンドにおいて順張りをしていくことが大事になってきます。

 たとえば、5分ごとに判定時間が到来するハイローをやっている場合に、5分周期で上げと下げが来る小さい波と60分周期にジワジワと上げる大きな波が混じった相場の場合、5分周期の波に乗って順張りをしてもすぐにトレンドは変わってしまうので勝率は高くならないでしょう。トレンドに乗るならば60分周期の波に乗って、順張りの買いをしたほうが良いのです。そのうえで、5分周期で下げきったタイミングで入ることができると、さらに勝率は上がるでしょう。このように、ハイローの判定時間の長さに比べて長めの周期のトレンドには乗って、短い周期のトレンドには逆張りをしていくというのが、ハイローでは一番オーソドックスな戦略になってくるでしょう。

 逆に大きな波のトレンドが発生していないような場合はどうしたらいいでしょう。トレンドが発生していないというのは、上がっては戻り下がっては戻りという状態です。この場合は値がすぐに戻るのですから逆張りをしていったほうが勝率は高くなります。こういった状態をレンジといいますが、トレンド発生時とレンジのときでは戦略は変えたほうがいいということになります。


大事なのは相場の現在の状況を見極める力

 ハイローでは相場の状況によってエントリー戦略を変えていく必要があります。つまり勝率を上げる上で大事になってくるのは、今現在がトレンド発生しているのかレンジなのかというのを見極める力です。そのためには日ごろからチャートを見ておく、波を見極めるというところが大事になってくるのです。

相場の波を理解する

ハイローをやるうえで相場やチャートの基本的なことを抑えておく必要があります。ただ、短期ハイローではこれから上がるか下がるか、あるいは、どこで流れが変わるか、どこで勢いが増すかといったことを判別できれば良いので、FXや株式よりも単純な相場の読み方でも十分です。ここでは短期ハイローに必要と思われる相場の知識を説明していきます。 

相場の値動きを見るチャートの種類

 相場の動きを確認するにはチャートを見る必要があります。ハイローで使うチャートは「Tickチャート」と「ローソク足チャート」を用意すると良いでしょう。

 Tickチャートとは為替の取引が成立するごとに成立値段をチャートに表示していくチャートです。ハイロー業者の取引ページに使われているのは通常これになっており、全ての細かい動きが見れるという特徴があります。あまり、細かい動きばかりに目がいってしまうと、流れを読み間違ってしまうというマイナス面もあります。

Tickチャート

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 次に、ローソク足チャートは日本で最も使われている代表的なチャートです。値動きをローソクのような線で表現していることからローソク足と呼ばれています。一定の時間の値動きを一本のローソク足で表現していますが、その時間の長さにより1分足、5分足、1時間足というように種類が分かれています。このチャートはハイロー業者の取引ページには用意されていないこともあるので、その場合はFX業者で口座開設してFX業者のチャートを利用したり、MT4といったフリーのチャートソフトを使用すると良いでしょう。(後々のことを考えると個人的にはFX業者を開設しておくのが良いと思います。)Tickチャートはどうしても短時間のみの値動きしか見えないので、ローソク足で長期間の値動きを見ることでTickチャートの弱点を補完してやるためにローソク足のチャートは必須と言えるでしょう。


相場はなぜ動くか

 最も基本で最も大事なことですが、相場は買うという注文(の金額)が多ければ上がりますし、逆に売るという注文(の金額)が多ければ下がっていきます。そして値段が上がって買い注文が減り売り注文が増えていくと、バランスが逆転するとまた値段が下がっていきます。こういったことの繰り返しで相場は動くというのが大雑把なイメージで良いでしょう。これをチャートにあらわすと上がっては下がり、下がっては上がりの繰り返しで、波のような状態になるのが通常の流れと言えます。

 相場においてこの波は1種類しかないわけではなく、様々なサイクルの波が存在します。例えば1ヶ月単位で動く波や、もっと細かく1時間単位で動いたり、もっと短い波では5分単位で動くようなこともあります。これは、市場に参加しているトレーダーが1ヶ月単位で取引をする長期視点のトレーダーから、5分単位で取引をする短期視点のトレーダーまで、様々なトレーダーがいるためにこういったことが起こるとも考えられます。相場の波は、このような色々な種類の波が合成されてできていっているのです。

波の合成

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 一般的に短い波のほうが予測不能な動き(ノイズ)が混じりやすいと言われています。ちょっとした大口の注文で急に短期の流れが変わったりすることもあり、そういった値動きまで波で予測するのは不可能なのです。そのため、短期のハイローで勝率を上げるのには限界があると言えます。また、相場が混乱しているときなど売り買いが交錯して短期的に全くランダムな動きを見せることもあります。こういったときには予測するのは難しいので取引は控えておくのが賢明です。


ハイローをやるうえで重要な波は?

 ハイローをやるうえでは相場の波のうち短い波の重要度が高いです。短期の波をしっかり押さえたうえで、長めの波も頭に入れておくようにするとよいでしょう。私の場合は、Tickチャートとローソクの5分足を常に表示しておき、ローソクの1時間足、4時間足、日足も定期的に確認して、常に頭に入れておきます。5分足で短い波をおさえ、Tickチャートでエントリータイミングをうかがう、そして、より長い足でもっと長い波の状況も頭に入れておくというような形です。人それぞれのやり方がある部分なので、自分が相場を見やすい方法を色々と試してください。

 ちなみに、簡単に言ってしまえば波は上がるトレンドが続いて頂点を迎え、その後下がるトレンドが続くという形で構成されます。上がっているトレンドのときはハイローではHIGHを選択したほうが勝率が高いですし、逆に下がるトレンドではLOWを選択したほうが勝率が高くなります。波を読むことで今が上げトレンドなのか、下げトレンドなのか見極めることができるようになると勝率を上げていくことができるようになってきます。

 また、短い波と長い波とを比べると、長い波のほうが力強いのが通常です。つまり、長い波のトレンドで上げているなか、短い波のトレンドで下げているような局面では、短い波の下げトレンドが先に終わって、結局、長い波のトレンドに従い上げていくという形になっていくことが多いです。そのため、短い波のほうが短期的な値動きを予想するのには大事ですが、長い波も押さえることによって、短い波の転換点の予測に利用できたりと有用な面も多くあります。この長い波の使い方をマスターしていくことで相場全体の予想もできてくるので、長い波を見ることを意識すると相場観の上達も早くなると思います。


チャートに慣れることが大事

 始めの頃は誰しもが短い波を見極めるので精一杯だと思います。しかし、慣れてくると段々と長い波も見えてくるようになってきます。そして長い波が見えてきたら、リアルタイムの経済ニュースと照らし合わすようにしてみてください。すると、なぜここでこんな大きな波が発生したのか、という理由も見えてきたりと色々な発見があるかもしれません。ニュースとチャートの動きの関係が見えてくると経済の知識もついてきますし、相場がより面白くなってくると思います。

 まずは始めはチャートに慣れること。日ごろからチャートを見ることで徐々に相場に慣れていってください。 

倍プッシュ戦略と勝率の関係

倍プッシュ戦略は買った場合に、ペイアウト分全てを次回の投入金額する資金管理です。成功する可能性は低くなりますが、リターンはかなり高くなります。使いどころを間違えなければ意外と使える手法です。

 

4連勝すれば投入金額の10倍のペイアウト

 倍プッシュ戦略は連勝すれば一気に資金が増えます。ペイアウト率1.8の場合、2連勝で3.2倍、3連勝すると5.8倍、4連勝すると10.5倍になります。あっという間に投入金額が増えるので、仮に軍資金の10分の1の投入金額を使うとして、4連勝すれば軍資金が一気に2倍になる計算です。
 ただ、この方法は成功率がかなり低いです。勝率6割の場合、2連勝する確率は36.00%、3連勝する確率は21.60%、4連勝する確率は12.96%です。まず、成功しないといってよいでしょう。倍プッシュ戦略を常日頃から使うのは少し無理があるといえるでしょう。


使えそうなときは8割勝てると思える局面

 ちなみに勝率8割の場合の連勝する確率を確認してみましょう。この場合、2連勝する確率は64.00%、3連勝する確率は51.20%、4連勝する確率は40.96%です。これを見てみると4割の確率で資金が10倍となるというわけです。ここまでくるとかなり有効そうな手法に見えてきます。もし、自分の手法をデータ分析してみてこの局面なら勝率8割は超えるだろう、というものがあれば倍プッシュ戦略を使える、と言えるでしょう。
 巷では結構勝率8割いけるといっている情報商材も多いようです。真偽のほどは定かではありませんが、本当に勝率8割が達成できるのなら、間違いなく倍プッシュ戦略を取るべきでしょう。

 

連勝は意外に続くもの

 ちなみに勝率6割の人でも経験することがあると思うのが、なぜだか連勝が続くという局面です。ハイローでは意外と勝ちだすと連勝が続くことがあります。私見ですが、相場の波が原因していると思っています。相場は状況によっては同じパターンで動く時間が長く続くことがあります。一番分かりやすいのがレンジヨコヨコの相場で、為替取引をやっているともうずっとヨコヨコだよー、と思ったことがある人は多いと思います。また、ジリ上げやジリ下げがずっと続くような流れも見たことがあると思います。こういった同じパターンで動く相場に自分の手法がハマった場合、連勝がかなり続くんだと思います。
 こういったタイミングを見極めることができたら意外と倍プッシュ戦略は使えたりすることがある、というわけです。

 

倍プッシュ戦略を使うときに守りたいこと

 偶然にもいいタイミングが来たとして倍プッシュ戦略を使うことにした場合、以下のことに注意しましょう。

投入金額は控えめに

 倍プッシュ戦略を使うと決めるときは相当勝てる自信があるときなので、ついつい投入金額を多くしがちです。しかし、倍プッシュ戦略はいくら勝率が高くても成功率は下がってしまうものです。そのため、負けても大丈夫な投入金額に抑えておくことが吉でしょう。

負けたらすぐにあきらめるメンタルを

 相当勝てる自信があるときに負けてしまうと、「今度こそは!」と熱くなりがちです。しかし、熱くならないで負けた理由を落ち着いて分析しないといけません。もしかすると、勝てる自信の根拠となっていた同じパターンで動く相場に変化があった可能性もあります。もしそうだとすると、同じパターンで動く相場だから勝てていたという根拠が崩れてしまいます。そういうときは冷静に退散しましょう。

目標連勝数は事前に決めておく

 連勝が続くと気が大きくなりがちで、ついついもう一勝負いこうとかんがえてしまうかもしれません。しかし、いつかは連勝は途切れてしまうものです。きちんと事前に何連勝したら終わりにするとゴールを明確に決めておいたほうが良いでしょう。

 この戦略は普通にやっているときには使うことのない資金管理手法ですが、タイミングを選んで使えば大きな効果を発揮します。自信があるときにプレッシャーにならない投入金額をつかって大きな利益をあげてください。

マーチンゲール戦略と勝率の関係

 ハイローでは大きな取引金額で取引をするときに勝ち、負けるときは取引金額を抑えるというのが利益を大きくするための肝となります。裁量取引額戦略はこれを実現するための理想的な方法ですが、実践するためのハードルが高いという弱点がありました。この弱点を補うのがマーチン戦略です。

 

マーチン戦略の基本

 マーチン戦略は連敗はいつかは終わるということを軸に編み出された手法です。その前提でいくと、連敗が終わるまで取引金額を倍々で増やしていくと、最後に勝ったときの払い戻しだけで負けた分を全て取り戻して利益が出せるという考え方です。

ハイローではペイアウト率が2倍未満であるのが通常なので、単純に2倍ずつに増やしていけばいいというわけにはいきませんが、基本的な考え方は、勝つまで取引金額を増やしていけば最後に勝ったときにトータルで利益が出るというわけです。

 具体的にどういう取引金額になっていくかについては、マーチンの取引金額や勝率の表を下にアップロードしましたので参考にしてみてください。取引金額は何回の連敗に耐えられるようにするかによって変わってきます。(パスワードは「abc」です。薄い水色のセルのみ入力できるようになっています。表は小数点以下を表示していないので、1円レベルで端数が合わないことがあります。) 


マーチン戦略の具体的な流れ

 マーチン戦略を使ったときにどうなるのか、実際に見てみましょう。資金が10万円、ペイアウト率1.8の場合で、4連敗まで耐えられる(5連敗すると資金がゼロになる)ような資金管理でやってみましょう。表をダウンロードされた人は、資金に「100000」、ペイアウト率に「1.8」と入力してみてください。その後、マーチン種別が「5回」となっている行を見てください。

 この戦略で取引する場合、はじめの取引金額は「2,206円です。1回目で勝てれば2,206円×1.8=3,970円の払い戻しを受けられ、1,764円の利益を出すことができます。

 1回目に仮に負けた場合、2,206円を失うことになります。その場合は、2回目の取引金額をを増やし「4,963円(表のD9セルを参照)とします。2回目に勝つと4,963円×1.8=8,933円の払い戻しを受けられ、1回目で失った金額を合わせて1,764円の利益を受けることができます。

 もし2回目にも負けた場合、3回目の取引で「11,168円(表のE9セル参照)を投入します。3回目に買った場合、11,168円×1.8=20,102円の払い戻しを受けられ、1回目・2回目で失った金額を合わせて1,765円の利益を出すことができます。3回目に負けたときも4回目も同様に取引金額を増やして取引していけば、ほぼ同額の利益を出すことができるのです。

 このように、最初に設定した連敗さえしなければ(この例では5連敗)、着実に利益を出すことができるというのがマーチン戦略です。また、勝利して利益が出ると資金が増えます。

今回は1回勝利すると資金が101,764円になるので、資金の欄に「101764」と入力してください。すると、初回の投入金額も増えています。このように、徐々に投入金額を増やしながら進めていくことで、徐々に大きな利益を出せるようになっていきます。


マーチン戦略のメリットとデメリット

 マーチン戦略のメリットは連敗さえしなければ着実に資金が増えていくことと、連敗する可能性は低いので勝率がそれほど高くない状態でも比較的利益を積み上げやすいという点です。

そして意外に大きなメリットなのが、連敗さえしなければ良いので積極的にエントリーしやすいという点です。取引をしないと利益は出せませんが、ハイローで取引をするときに負けてはいけないと思って結局取引がなかなかできなかった、という人が多いようです。しかし、マーチンをやれば比較的楽に取引を開始できるので、結果的に利益も伸びやすいという傾向があると思います。

 デメリットはやはり連敗してしまうと資金があっという間にゼロになってしまうということでしょう。また、連敗が続いてくると大きな資金で取引をすることになるためプレッシャーが相当高くなってきます。こうなるとなかなか取引はできるものではありません。

連敗をしている状況なので何かの歯車が狂っている可能性が高く、その状態では次に負ける可能性が高いかもしれません。そういう場合はいったん間を空けたり、あるいは、途中撤退するという手も検討する必要が出てきます。

 

勝率とマーチン戦略の関係

 さて、マーチン戦略はどの程度の確率でうまくいくのでしょうか。勝率との関係を見ていきたいと思います。管理人が個人的に現実的だなと思っている勝率6割の場合、マーチン戦略で資金を無事2倍にできる確率はどの程度なのでしょうか?表をダウンロードされた人は、勝率のところに「60」と入力して、「2倍達成確率」という列を見てください。

 先ほどの例で使ったマーチン種別5回(5連敗すると資金がゼロになるマーチン)だと、2倍達成確率は66.25%です。結構、高い確率で資金を2倍にできるということが分かります。マーチン種別6回だとさらに確率は上がり、69.12%で資金を2倍にできます。

ちなみに、マーチン種別5回だと40回の勝利で、マーチン種別6回だと90回の勝利で資金が2倍になります。(ペイアウト率1.8の場合)

 勝率が70%の場合だとどうでしょう。2倍達成確率はマーチン種別5回だ90.73%、マーチン種別6回だと93.65%となります。勝率が上がるにつれ、2倍達成確率はそれ以上に伸びていることが分かります。

逆に勝率が低いとどうでしょう。定額戦略でプラスマイナスゼロとなる勝率55.56%の場合、2倍達成確率はマーチン種別5回だと49.69%、マーチン種別6回だと49.86%となります。2倍達成率は5割近いとはいえ、少し下がってしまっています

勝率50%の場合はさらに大きく下がり、2倍達成確率はマーチン種別5回だと28.08%、マーチン種別6回だと24.24%になってしまいます。勝率5割の場合はマーチン種別の回数を増やしても2倍達成確率は下がってしまうので、マーチン戦略をしてもあまり意味はないと言えるかもしれません。


マーチン戦略はオススメか?

 マーチン戦略はメリットとデメリットがあるので、全ての人にオススメできるわけではありません。しかし、マーチン戦略の確率を良く知りリスクをよく理解して運用できる人にとってはかなり有効な方法だと思っています。そして、マーチン戦略を使うという場合には、以下の2点に注意したほうがよいと思います。

目標を明確にすること

 マーチン戦略は際限なく続けていくと、理論的にはいつか必ず負けるときがやってきます。そのため、目標を明確に決めて目標を達成したら利益分は出金するなど、マーチン戦略の資金から外しておくほうが良いでしょう。

連敗時のメンタルを意識すること

 マーチン戦略の確率はあくまで確率でしかありません。流れが悪いときは勝率7割の人でも連敗してしまうことがあります。メンタルの章でも詳しく解説しますが、連敗時には特に冷静に対処しましょう。特にマーチンは連敗が命取りになるので勝率が高い人ほど油断しないようにする必要があります。

 以上2点は少なくとも注意して、マーチン戦略を進めていってください。ちなみに、管理人はもともとこのマーチン戦略を使っていました。今は自身の取引データが集まっているので裁量取引額戦略をとっています。取引データが集まるまでのつなぎとしてマーチン戦略をとるのもいいかもしれません。

裁量取引額戦略と勝率の関係

ハイローは勝つときの取引金額を大きく、負けるときの取引金額を小さくすることができれば、同じ勝率でも利益金額は大きく変わってきます。それを実現するための戦略が裁量取引額戦略です。

 

理想的な方法だが有効に実践するのは難しい

 裁量取引額戦略はハイローをやるうえで最も理想的な方法といえます。勝率が高くできる状況では大きな金額を投入し、勝率を高くできない状況では小さな金額しか取引に投入しないようにすれば、勝つときに大きな金額のペイアウトを受け取ることができ、負けるときには小さな金額しか失わないという状況が作り出せるからです。
 問題なのは、勝率が高い状況なのか低い状況なのかというのを見分けることができるかという点です。この見分けを正確にできるようになれば裁量取引額戦略は有効に機能しますが、できなければ逆効果になる可能性すらあります。つまり、なんとなく勝てそうといった勘でこの戦略を取るのはあまりオススメできない、ということです。


有効に実践するために必要なこと

 この戦略を実践していくために必要なのはデータ収集です。そして、自分にいくつかのエントリールールがあるとして、そのエントリールール毎に勝率を割り出していきます。そうするとどのエントリールールが有効なのか、ということが見えてくるはずです。もしかすると、損が出ているエントリールールがあるというのも見えてくるかもしれません。そういう場合はエントリールールの見直しをするキッカケにもできます。
 また、エントリールールだけではなく、相場の状況もミックスしてデータ収集をしたほうがより効果的です。例えば、単純にエントリールールとして「逆張り」をする場合に、トレンド発生時の逆張りとレンジのときの逆張りでは勝率が全然違ってくるのは間違いないでしょう。こういった、相場の状況も加味してデータを集めていくとより自分の取引の特性といったものが見えてくると思います。
 データ収集をする際に注意すべきはある程度のサンプル数を集めないと意味がないという点も注意してください。10個のデータで勝率100%達成したといってそれが完璧なエントリー手法になるとはいえません。100個くらいは集めたほうが良いかな、と思います。

※データの収集の仕方については別の記事でも詳細に解説していく予定です。


エントリールール見直しにより勝率向上につながる

 このことを繰り返していくと、結果的にエントリールールがブラッシュアップされていき勝率向上にもつながっていきます。また、なんとなくエントリーするということが少なくなり、自分がどのルールに従ってエントリーしたのかということも明確になっていくので技術を上げる上でも役に立つと思います。データ収集に当たってはデモ取引を利用すると良いでしょう。ただ、デモの場合にも実際にお金を使って取引をしている気持ちで取引するように心がけてください。同じ精神状態で取引をしないとエントリータイミングがズレてしまい、有効なデータにならない可能性があるからです。個人的にはデモではなく実際の取引を最少額で行ってデータを集めたほうが良いと思います。

裁量取引額戦略を自動的に実践するのがマーチン戦略

 さて、裁量取引額戦略を有効にやるためには少しハードルが高いと感じた人も多いかもしれません。しかし、理論的にはこれが最適な資金管なのでこれを目指してがんばってほしいと思います。ちなみに、勝つときの取引金額を大きく、負けるときの取引金額を小さくなるように強制的に持っていくのがマーチン戦略です。これについては別の記事で詳細に解説していこうと思います。

 

定額戦略と勝率の関係

定額戦略は最も基本的な資金戦略の方法ですが、この方法で利益を出すためにはどのくらいの勝率をキープしていれば良いのでしょうか。そして、勝率によってどの程度の利益が出せるのでしょうか。

 

利益を出すための勝率にはペイアウト率が大きく影響

 定額戦略ではペイアウト率がそのまま利益が出るかどうかの勝率に影響してきます。ペイアウト率をAとすると、プラスマイナスゼロとなる勝率は(1÷A)×100%となります。
 ハイローオーストラリアのドル円のペイアウト率は1.8ですが、この場合プラスマイナスゼロとなる勝率は55.56%、つまり利益を出すためには55.56%以上の勝率が必要となります。なお、ペイアウト率1.7では58.82%1.75では57.14%となります。いずれの場合も、とりあえずの目安は勝率6割をクリアするというところでしょうか。

 定額戦略は単純な方法なので勝率をいかに上げるかというところに集中できるという意味では良い部分もあるのかもしれません。ちなみに、1回の取引金額は初めのうちはできるだけ小さく、大きくても10分の1以下にしておくことをオススメします。

どのくらいの利益を出せるのか

 さて、取引できる時間にもよりますが1日でエントリーできる数は10回くらいでしょうか。ざっくりと1週間で50回くらいエントリーできるとしましょう。勝率6割をキープして50回取引を行った場合、どの程度の利益を出せるのかシミュレーションしてみましょう。取引金額は軍資金の10分の1としておきます。ペイアウト率1.8の場合、

勝利時の利益率 × 勝利回数- 敗北時の損失率 × 敗北数
= ( 0.1 × 0.8 ) × ( 50回 × 0.6 ) - ( 0.1 × 1 ) × ( 50回 × 0.4 )
= 0.4
 → 40%
の利益となります。1日10回取引をするとして5日間で40%の利回りを出せるということです。ちなみに、ペイアウト率1.75の場合は25%、ペイアウト率1.7の場合は10%の利益となります。勝率をもっと上げれる場合はまた違ってきますが、現実的に到達可能な6割の勝率だとペイアウト率でかなり利回りが変わってくるのが分かります。
 ちなみに、軍資金の10分の1で取引をするということを想定して計算しましたが、安全に行きたいので100分の1で取引をする場合は、それぞれの利回りは先ほどの10分の1となります。つまりペイアウト率1.8場合は4%、ペイアウト率1.75の場合は2.5%、ペイアウト率1.7の場合は1%ということです。ここまで安全に動かした場合は、リスクは相当減らせますが利回りも相当減ってきて、ハイローの資金効率の良さは消えてしまいます。慣れるまではOKですが、安定的に勝てるようになってからは少しもったいないような気がします。 

資金を2倍にするために必要な時間

 ハイローではいったんの目標となるのが軍資金を2倍にすることだと思います。軍資金を2倍にして半分を出金する、という繰り返しで資金を増やしていくのが良いでしょう。さて、定額戦略の場合、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。取引金額を軍資金の10分の1で勝率6割の場合、ペイアウト率1.8の場合は125回、ペイアウト率1.75の場合は200回、ペイアウト率1.7の場合は500回の取引が必要になります。これを見ても分かるようにシンプルな戦法で望む場合は、ペイアウト率はかなり重視しておいたほうが良いでしょう。業者選択の際にはペイアウト率はよくチェックしてみてください。

定額戦略の応用

 定額戦略を続けていくなかで順調に行けば軍資金は少しずつ増えていくはずです。数十回も取引をすればけっこう増えているはずです。そういったタイミングで、定額の取引額を見直してみることによって資金効率が良くなります。つまり、見直しタイミングで増えた全軍資金の10分の1を取引金額にするということです。これによって資金が増えるスピードを上げることができます。取引のつど、この見直しをしている人もいます。慣れてくればこういう方法も取り入れるのもアリかもしれません。

まとめ

ペイ
アウト率
±0となる
勝率
勝率:6割
取引額:軍資金10分の1
勝率:6割
取引額:軍資金20分の1
取引50回の
利益率
2倍となる
取引回数
取引50回の
利益率
2倍となる
取引回数
1.80 55.56% 40% 125回 20% 250回
1.75 57.14% 25% 200回 12.5% 400回
1.70 58.82% 10% 500回 5% 1000回
1.65 60.60%
 

資金管理の種類

ハイローで利益を上げられるかどうかを大きく左右するのが金管です。たとえ勝率がそれほど高くなくても資金管理をうまくやることで全体として利益を出す確率は大幅に上げることができます。ハイローをやるうえで欠かせない資金管理術について学んでいきましょう。

 

金管理とはどんなものか

 たとえば、10万円の軍資金をどのように使っていくのかというのが資金管理です。これまでも繰り返し行っていることですが、ハイローの場合は資金管理が非常に重要です。ハイローは短時間での取引となるためレートの動きにノイズが混じりやすく、ある程度の頻度で取引をしたうえで勝率を上げるのには限界があります。それを資金管理で補うことによって、高い確率で利益を得られるようになるのです。ここでは資金管理の方法をいくつか紹介していきます。それぞれの特徴を押さえつつ自分に合った資金管理を見つけてください。


金管理手法の例

 それでは具体的にどのような手法があるのか、ざっくりと以下で説明していきます。(戦略名のネーミングセンスのなさについてはご容赦ください。汗)

①定額戦略:いつも決まった金額で取引する方法

 最も基本的な資金管理方法で、例えば当初の軍資金の1/10ずつ均等に取引を行っていく形です。たとえば、10万円の軍資金があれば、1万円ずつ取引をしていくことになります。軍資金の何分の一で取引するかは人それぞれですが、個人的には1/10を推奨します。また、取引額を1/5以上にするのはリスクが高いのでお勧めしません。
 シンプルなので誰でもできる方法です。この方法では取引回数の割には利益を伸ばしにくいですが、軍資金がゼロになってしまうリスクも比較的抑えられるかと思います。(もちろん、1回の取引あたりの金額をいくらにするかによりますが。)取引に慣れるまではこの方法でやっていくのがいいかもしれません。

②取引額裁量戦略:状況に応じて取引金額を変えていく方法

 相場の状況に応じて取引額を適宜変えていく方法です。相場は状況によって読みやいときと読みにくかいときがありますし、また人によって得意な相場と得意でない相場があるはずです。そのときの状況が読みやすいまたは得意な状況だった場合には取引額を大きくし、逆の場合には取引額をおさえるというやり方です。
 これはある程度の経験とデータの蓄積が必要になるので、初心者がいきなり有効に実践するのは難しいと思います。これを実践するためには自分の取引データを集めていき、相場状況に応じて勝率を算出しておきます。そして、たとえば勝率が80%以上の状況であれば1万円、勝率が70%以上80%未満であれば5,000円、勝率が60%~70%未満であれば1,000円という具合に取引額を決めていくという形になります。実際にデータを蓄積していなくてもチャートの形を見て頭のなかの記憶からこのような判断をして取引額を決めている人も多くいるようです。
 ハイローでは勝つときの取引金額を大きく、負けるときの取引金額を小さくすると有利になるので、理論的にはこの方法がもっとも有効な戦略といえます。しかし、勘に頼ってこの戦略を採用すると逆効果になってしまう可能性もあります。ある程度、経験を積んで自分の取引の傾向が分かってきてから採用することがのぞましいと思います。

※現在、取引データを蓄積していくためのエクセル表を作っています。出来上がったらアップする予定です。

③マーチンゲール戦略:負ける毎に取引金額を増額する方法

 予想が外れて負けたときに次の取引金額を増やしていき予想が的中したときに負け分を取り返すと共に利益を出すという方法です。例えばペイアウト率1.8の場合、1回目の取引で1,000円分負けたとしても、次の取引で2,250円の取引をして的中すればペイアウト4,050円を受け取れることになり、1回目での負け分を含めて800円(4,050円-2,250円-1,000円)の利益を出すことができます。同様に2回連続で負けても3回目の取引額を増やせば利益を出すことができます。
 この方法は連敗が重なりさえしなければ、取引回数を増やせば着実に資金が増えるためかなり有効に資金を増やしていける方法だと言えます。しかし、連敗が重なると軍資金が一気にゼロになってしまうためリスクも高い面もあります。そのため、ある程度経験を積んでどのような場合に自分は連敗する傾向にあるのか、ということを分析したうえで実践したほうが良いでしょう。

④倍プッシュ戦略:勝った時のペイアウトを全額投入する方法

 連勝をする前提で予想的中で勝利したときに受け取るペイアウトを全額を次の取引額とする方法です。あらかじめ、何連勝を狙うかを決めておき、目標達成か予想が外れるかした場合に取引を終了します。
 この方法は成功すれば非常に大きなリターンを得られますが、成功確率は低くなってしまいます。そのため、この方法使って良い状況か、投入金額はなくなっても問題ないものか、ということに注意しましょう。たとえば、その日は非常に調子がよく勝率が9割あるという日で、かつ既にその日の目標利益を達成している場合、目標利益を超えている金額を元手に4連勝(ペイアウト率1.8で10倍になります。)を狙うというような使い方をします。使える状況は多くはないですが、はまったら爆発的に資金が増えます


大事なのはそれぞれの戦略で勝てる確率

 状況に応じて戦略を使い分けていくのがのぞましいです。また、これらの方法をミックスしながら自分なりの戦略を立てていくことをオススメします。今回は戦略の種類を紹介しましたが、もう少し深掘りしてそれぞれの戦略で勝てる確率と勝率の関係を知っていくと、より有効な戦略立てに近づいていきます。次回からはそれぞれの戦略について勝てる確率について説明していきたいと思います。